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PythonとJavaScriptのどちらが良い?違いを比較

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PythonとJavaScriptのどちらが良い?

プログラミングの学習を始めようと決意したものの、「PythonとJavaScriptのどちらを学ぶべき?」という言語の選択で悩んでいませんか? どちらも非常に人気があり、できることも豊富な言語だからこそ、迷ってしまうのも無理はありません。

「Webサイトを作りたい」「AIやデータ分析に興味がある」「技術者として需要の高いスキルを身につけたい」など、あなたがプログラミングで実現したいことによって、身につけるべき言語は変わってきます。

この記事では、そんな悩めるあなたのために、PythonとJavaScriptのそれぞれの特徴や作れるもの、習得の難易度、将来性について比較します。

目次

PythonとJavaScriptってどんな言語?

本格的な比較に入る前に、まずはPythonとJavaScriptがそれぞれどのような個性を持った言語なのか、その全体像を掴んでおくとよいでしょう。どちらも現代のIT業界において人気の高い言語です。共通点も多いですが、異なる点についても把握しましょう。

Python

Pythonの最大の特徴は、なんといってもその「シンプルで読みやすい文法」にあります。まるで英語を読むかのように直感的にコードが書けるため、プログラミングの基本的な考え方を学ぶのに適しています。そのため「最初の言語」として非常に人気があります。

もともと教育用に開発された歴史もあり、「誰が書いても同じような、分かりやすいコードになる」ことを目指しています。これにより、複数人での開発がしやすかったり、後からコードを見返したときに修正しやすかったりという大きなメリットが生まれます。

そして、そのシンプルさとは裏腹に、非常にパワフルで「汎用性が高い」のもPythonの魅力です。WebサイトやWebアプリの裏側(サーバーサイド)はもちろんのこと、近年最も注目されているAI(人工知能)開発や機械学習、膨大なデータを分析するデータサイエンスの分野では、ほぼ標準言語として使われています。

これは、Pythonには「ライブラリ」と呼ばれる、世界中の開発者が作った便利なツール(コードの部品集)が豊富に揃っているためです。例えば、AI開発なら「TensorFlow」、データ分析なら「Pandas」といった強力なライブラリを使うことで、複雑な処理を短いコードで実現できます。

私たちの身近なサービスでは、YouTubeの動画推薦アルゴリズムや、Instagramの画像処理システム、Dropboxのファイル管理システムなど、膨大なデータを扱うサービスの裏側でPythonが活躍しています。

JavaScript

一方、JavaScriptは「Webブラウザで動作する代表的なプログラミング言語」です。フロントエンドの開発でHTMLとCSSと共に用いられることが多く、Webページに動きや対話性(インタラクティブ性)を与えることで、ユーザー体験を向上させる役割を担います。

普段Webサイトを見ているとき、画像がスライドショーで切り替わったり、ボタンをクリックするとメニューが滑らかに表示されたり、入力フォームに不備があると即座にエラーメッセージが出たりします。こうした「Webページの動き」がJavaScriptによって実現されています。まさにWebのフロントエンド(ユーザーの目に触れる部分)の主役と言える存在です。

当初はWebページにちょっとした動きを加える程度の役割でしたが、Web技術の進化とともにJavaScript自体も大きく進化しました。特に「Node.js」という技術の登場は革命的で、これまでブラウザ上でしか動けなかったJavaScriptが、Pythonと同じようにサーバーサイドでも動かせるようになったのです。

これにより、Webサイトの見た目(フロントエンド)から裏側の処理(バックエンド)まで、すべてJavaScriptで一貫して開発することも可能になり、その活躍の場を大きく広げました。

身近な例では、Google マップの滑らかな地図操作や、X (旧Twitter) や Facebook のタイムラインが自動で更新される機能など、私たちが日常的に触れているWebアプリケーションでリッチなUIのほとんどが、JavaScriptによる実装で実現されています。

PythonとJavaScriptの比較

ここからは、PythonとJavaScriptを比較していきましょう。

作れるもの

Python

Pythonを使用して実現できることは多岐に渡り、幅広い分野でその力を発揮します。

まず代表的なのが、Webアプリケーションのサーバーサイド(裏側)開発です。世界的に人気のフレームワーク「Django」や、シンプルで柔軟な「Flask」を使うことで、ユーザー認証、データベース管理、ビジネスロジックといった、Webサービスの心臓部を堅牢に構築できます。私たちが日常的に使うYouTubeやInstagramといった巨大サービスの裏側も、Pythonによって支えられています。

しかし、Pythonが今最も盛んな分野は、AI(人工知能)・機械学習に代表されるデータサイエンスの分野でしょう。数値計算ライブラリの「NumPy」、データ解析の「Pandas」、機械学習の「Scikit-learn」、そして深層学習の「TensorFlow」や「PyTorch」といった、専門的で強力なライブラリ群が揃っています。これらを利用することで、株価の予測モデル、画像認識システム、スマートスピーカーの対話エンジンなど、最先端の開発が可能です。

さらに、地味ながらも需要があるのが業務自動化(スクリプティング)の領域です。Excelファイルの自動集計、Webサイトからの定期的な情報収集(Webスクレイピング)、定型メールの自動送信など、日常の反復作業を自動化する小さなプログラムを手軽に作成できます。

プログラミングを本業としない人でも、自分の仕事を効率化するためにPythonを学ぶケースが増えています。その他、デスクトップアプリやゲーム開発なども可能な、まさに万能選手です。

JavaScript

JavaScriptの歴史は Webブラウザに搭載されたことから始まり、今もその中心はWebの世界にあります。

最も得意なのは、Webサイトのフロントエンド(表側)開発です。HTMLとCSSで作られた静的なページに命を吹き込み、ユーザーの操作に応じて見た目が変わるインタラクティブなUIを構築します。人気フレームワークの「React」や「Vue.js」を使えば、まるでデスクトップアプリのようにサクサク動くSPA(シングルページアプリケーション)の開発が可能です。GoogleマップやFacebookのタイムラインのような、滑らかで動的な体験はJavaScriptの賜物です。

そして「Node.js」の登場により、JavaScriptはサーバーサイド開発も可能になりました。これにより、フロントエンドからサーバーサイドまでをJavaScript一貫で開発するフルスタック開発という選択肢が生まれました。一つの言語で全てを開発できるため、学習コストや開発効率の面で大きなメリットがあります。

JavaScriptの活躍の場はブラウザだけにとどまりません。「React Native」のようなフレームワークを使えば、スマートフォンアプリを開発できます。iOSとAndroidのアプリを一つのコードベースから同時に作れるため、多くのスタートアップで採用されています。デスクトップアプリケーションも開発可能です。高機能エディタのVS CodeやチャットツールのSlackは、実はJavaScriptで作られています。

得意なこと

Python

Pythonの得意技は、「複雑なデータ処理と、人間にとっての分かりやすさ」です。

AI・機械学習・データサイエンスの分野で圧倒的な強さを誇るのは、単にライブラリが豊富だからというだけではありません。これらの分野では、高度な数学的・統計的な処理が求められますが、Pythonのライブラリはそうした複雑な計算を数行のコードで実行できるようにしてくれます。

これにより、開発者は本来の目的である「データから価値を見出すこと」や「賢いモデルを構築すること」に集中できます。学術界から産業界まで、データに関わる専門家が第一に選択する言語であり、この分野における圧倒的なエコシステム(生態系)こそがPython最大の強みです。

また、シンプルで読みやすい文法は、Pythonの設計思想の中核をなすものです。コードがまるで疑似コード(人間が読むための設計図)のように書けるため、複数人での大規模な開発でもコードの品質を保ちやすく、メンテナンス性にも優れています。

この「読みやすさ」は、プログラミング初心者にとっての学習しやすさだけでなく、プロフェッショナルな現場での生産性の高さにも直結する、非常に重要な特徴です。異なるシステム同士を連携させる「グルー言語(接着剤の役割)」として、サーバー管理や自動化のスクリプトで多用されるのも、このシンプルさが理由です。

JavaScript

JavaScriptの得意技は、「ユーザーへのリアルタイムでインタラクティブな体験の創出」です。

Webサービスやアプリケーションのフロントエンド開発で、ユーザーの操作に即座に反応し、ストレスのない滑らかなUIを提供することに長けています。非同期処理という仕組みが得意なため、ページの再読み込みなしにサーバーから新しい情報を取得して表示を更新する、といった処理を効率的に行えます。

チャットアプリで相手のメッセージがリアルタイムに表示されたり、SNSの「いいね」が即座に反映されたりするのは、まさにJavaScriptの非同期処理のおかげです。この「リアルタイム性」と「表現力」が、JavaScriptの核となる強みです。

Node.jsによってサーバーサイドでも、この非同期処理の強みは活かされます。大量の同時接続を効率的にさばくことができるため、チャットサービス、オンラインゲーム、ライブ配信など、リアルタイム性が求められるアプリケーションのサーバーサイドに適しています。

そして何より、「普遍性」はJavaScriptの最大の武器です。Webブラウザがインストールされているデバイスであれば、パソコン、スマホ、タブレットを問わず、どこでも同じように動作します。この圧倒的な実行環境の広さが、JavaScriptをWeb時代の王者たらしめている理由です。

一つの言語を学ぶだけで、Web、サーバー、スマホ、デスクトップと、あらゆるプラットフォームのアプリケーション開発に携われる可能性が広がるのは、他にはない大きな魅力です。

学習の難易度

Python:★★☆☆☆(易しい)

Pythonは、プログラミング初心者にとって学習しやすい言語の一つとして広く認識されています。その理由は、文法が非常にシンプルで、英語の構文に近く、直感的に理解しやすいからです。例えば、画面に文字を表示するのに print("Hello") と書くだけで済み、他の言語にありがちなおまじないのような記述がほとんどありません。

変数の型を宣言する必要がないなど、覚えるべき厳格なルールが少ないため、学習者は「何をしたいか(ロジック)」を考えることに集中できます。基本的な文法(変数、条件分岐、繰り返し)を学び終えれば、すぐにでも簡単な業務自動化スクリプトなど、実用的なプログラムを書き始められるため、早い段階で成功体験を積みやすいのも特徴です。

ただし、注意点もあります。言語自体の学習は簡単ですが、その先にある専門分野、特にAIやデータサイエンスのライブラリを使いこなすには、プログラミングとは別に、数学や統計学といった専門知識の学習が必要です。Pythonという言語はあくまでも強力な「道具」であり、その道具を真に活かすためには、対象分野への深い理解が求められます。言語の入口は非常に広いですが、専門家への道は相応の努力が必要です。

JavaScript:★★★☆☆(普通)

JavaScriptの学習の難易度は、少し捉えどころが難しい側面があります。「始めるのは簡単、極めるのは難しい」と表現するのが的確かもしれません。

始めるのが簡単な理由は、特別な開発環境のインストールが不要だからです。パソコンに標準で入っているWebブラウザのデベロッパーツールを使えば、すぐにでもコードを書き、その実行結果を視覚的に確認できます。HTMLの文字の色を変えたり、ボタンを押したらアラートを出したりと、書いたコードがすぐに「動き」として見えるため、学習初期のモチベーションは非常に維持しやすいでしょう。

一方で、学習を進めるといくつかの壁にぶつかります。まず、JavaScriptには独特の仕様や概念(「this」の挙動、非同期処理、プロトタイプチェーンなど)が多く、これらを正確に理解するには時間がかかります。また、現代のWeb開発では、JavaScript単体だけでなく、HTML、CSS、DOM(Document Object Model)、さらにはReactなどのフレームワーク、WebpackやViteといったビルドツールなど、学ぶべき周辺技術が非常に多いのが実情です。

この広大なエコシステム全体を把握し、使いこなせるようになるまでの道のりは決して平坦ではありません。最初の楽しさとは裏腹に、プロとして通用するレベルに達するための総合的な学習量はPythonよりも多くなる傾向があります。

年収

Python

日経 xTECHの調査によると、Pythonエンジニアの平均年収は608万円です。他の言語と比べてPythonエンジニアの年収は、高い水準にあり、専門分野との掛け合わせで大きく跳ね上がる傾向があります。

高い収入を目指せる就職先としては、やはりAI・機械学習エンジニアやデータサイエンティストといった高需要・高単価な職種です。これらの分野は、企業の競争力を直接左右する重要な領域であり、高度な数学的知識とプログラミングスキルを併せ持つ人材は希少価値が高く、結果として国内でも1,000万円を超えるような高い報酬が提示されるケースもみられます。

もちろん、DjangoやFlaskを用いたWeb開発者も、他の言語のサーバーサイドエンジニアと同等か、それ以上の高い年収を得ています。大規模なWebサービスのバックエンドを支える重要な役割であり、安定した需要があります。

また、Pythonは金融業界(FinTech)での定量的分析や、製造業での研究開発など、IT業界以外でも広く使われています。こうした特定のドメイン知識を持つPythonエンジニアは、代替が難しいユニークな人材として高く評価される傾向にあります。全体として、Pythonを習得することは、高収入に繋がりやすい専門的なキャリアパスへの強力な切符となると言えるでしょう。

JavaScript

同じく日経 xTECHの調査によると、JavaScriptエンジニアの平均年収が最も高額な663万円でした。JavaScriptエンジニアの年収は、そのスキルセットの幅と深さによって大きく変動しますが、モダンな技術を使いこなせる人材は非常に高い報酬を得ています

JavaScriptはWeb制作の根幹をなす技術であるため、求人数が非常に多く、その分スキルレベルも様々です。比較的シンプルなWebサイト制作(HTML/CSSコーディング+α)を主とする場合、年収は平均的なレンジに収まることもあります。

しかし、ReactやVue.jsといったモダンなフレームワークに習熟し、複雑なSPA(シングルページアプリケーション)を設計・開発できるフロントエンドエンジニアや、Node.jsを駆使してサーバーサイドまで構築できるフルスタックエンジニアの市場価値は非常に高いです。ユーザー体験(UX)の重要性が増す現代において、高度なフロントエンド技術を持つエンジニアは、多くの企業が求める花形職種の一つといえるでしょう。

また、TypeScriptという、JavaScriptに静的型付けの機能を追加した言語を使いこなせることも、近年では年収を大きく左右する重要なスキルとなっています。大規模で堅牢なアプリケーション開発にはTypeScriptが採用されることが多く、これを扱えるエンジニアは一段上の評価を受ける傾向にあります。

年収の幅は広いですが、トレンドの技術を常に学び、スキルをアップデートし続けることで、Pythonエンジニア以上の高収入を目指すことが十分に可能です。

求人数

Python

転職サイトdodaでPythonの求人を検索したところ該当した求人数は9,396件でした(2025年10月9日時点)。Pythonの求人数は非常に多く、近年、AI・データサイエンス分野の盛り上がりと共に急増しています。

Web開発の分野では、サーバーサイド言語としてPHPやRuby、Javaなどと競合しますが、それでもDjangoやFlaskの案件は豊富に存在します。特に、新規サービス開発やスタートアップにおいて、開発速度の速さからPythonが採用されるケースが目立ちます。

Pythonの求人市場がユニークなのは、純粋なソフトウェア開発企業以外の募集が非常に多い点です。例えば、金融機関のクオンツ(定量的アナリスト)、製造業の研究開発部門、コンサルティングファームのデータアナリスト、マーケティング会社の分析担当者など、事業会社が自社のデータを活用するために直接Pythonスキルを持つ人材を募集するケースが非常に増えています。これは、Pythonが単なる「開発言語」ではなく、「課題解決のための分析ツール」として広く認知されている証拠です。

そのため、「Webエンジニア」という枠にとらわれず、「データサイエンティスト」「機械学習エンジニア」「リサーチャー」といった多様な職種で募集が見つかります。求人の「量」だけでなく「質」と「多様性」の面で、非常に魅力的な市場が形成されていると言えるでしょう。

JavaScript

dodaでJavaScriptの求人を検索したところ該当した求人数は6,173件でした(2025年10月9日時点)。JavaScriptの求人数は、数あるプログラミング言語の中でも間違いなくトップクラスです。その理由は極めてシンプルで、WebサイトやWebサービスがユーザーとの接点として様々な業界で使用されており、運用や改修の機会が多いからです。

企業の規模や業種を問わず、自社のWebサイトを改善したり、新しいWebサービスを立ち上げたりする際には、必ずと言っていいほどフロントエンドの開発が必要となり、そこにはJavaScriptのスキルが不可欠です。「フロントエンドエンジニア」の募集は、求人市場でも大きな割合を占めています

さらに、Node.jsの普及により「サーバーサイドエンジニア」や「フルスタックエンジニア」としての求人も一般化しました。「スマホアプリエンジニア」「デスクトップアプリエンジニア」の求人も存在し、そのように多様性が進んだ点も求人数の多さに直結しています。

スタートアップやWeb系メガベンチャーでは、モダンなJavaScriptフレームワークでの開発経験が必須スキルとして求められることが多く、これらのスキルを持つエンジニアの需要は極めて高い状態が続いています。

Webという巨大なプラットフォームが存在する限り、JavaScriptエンジニアの仕事がなくなることは考えにくく、求人数の量と安定性においては、将来にも期待がもてるでしょう。

【目的別】PythonとJavaScriptどちらがおすすめ?

ここまでの説明で、PythonとJavaScriptのそれぞれの個性が見えてきたかと思います。ここからは、いよいよ本題です。「プログラミングで何をしたいか」という目的別に、具体的にどちらの言語がおすすめかを3つのケースを例に解説します。

そしてどのようなステップで学習を進めていけば良いのか、についてもみていきましょう。

Webサイトやアプリを開発したい

  • 結論:JavaScriptから始めるのが近道です。

なぜJavaScriptなのか?

あなたが作りたいものが、ユーザーがブラウザでアクセスして利用するWebサイトやWebアプリケーションである場合、JavaScriptは避けては通れない必須の言語です。

Webページは基本的に3つの言語で構成されています。

  • HTML:テキストや画像などを配置し、ページの「骨格」を作る。
  • CSS:色やフォント、レイアウトを整え、ページの「見た目」をデザインする。
  • JavaScript:ユーザーの操作に応じて表示を変えたり、サーバーと通信したり、ページに「動き」や「機能」を与える。

この3つは「Web制作の三種の神器」とも言える関係で、インタラクティブ(対話的)でリッチなWebアプリケーションを作るには、JavaScriptの力が不可欠です。

言語を習得することでボタンをクリックしたらアニメーションと共に詳細情報が表示される、フォームに入力するとリアルタイムで内容がチェックされる、といったWebサイトを利用するうえで便利な機能を実現できるようになります。

まずはWebの「顔」となるフロントエンドから作り始めることで、自分の作ったものが目に見える形で動く楽しさを実感でき、学習のモチベーションを高く維持できるでしょう。

Web開発者を目指す学習ロードマップ

JavaScriptを学びWeb開発者を目指す際のロードマップを紹介します。

STEP
HTML & CSSの基礎習得

まずはWebページの骨格と見た目を作るための基本を学びます。Progateやドットインストールといった学習サイトで、実際に簡単なWebページを書きながら覚えるのがおすすめです。

STEP
JavaScriptの基礎

フレームワークなどに頼らず、純粋なJavaScriptの文法や、HTMLを操作する技術(DOM操作)を学びます。ここで基礎を固めておくことが、後々大きく役立ちます。

STEP
JavaScriptフレームワークの学習

基礎が固まったら、より効率的かつ高度なWebアプリを開発するためのフレームワーク(React, Vue, Angularなど)を一つ選び、学び始めましょう。現代のWeb開発現場では、これらのフレームワークのスキルが求められることがほとんどです。

STEP
(ステップアップ)Node.jsの学習

フロントエンドに慣れてきたら、サーバーサイドで動くJavaScriptであるNode.jsを学ぶことで、データベースとの連携など、より本格的なWebアプリケーションを一人で開発する「フルスタックエンジニア」への道が開けます。

ちなみにPythonではダメなの?

もちろんPythonでもWebアプリケーションを開発することは可能です。Webフレームワークである「Django」や「Flask」を使えば、Instagramのようなサービスの裏側(サーバーサイド)を構築できます。

しかし、サーバーサイドをPythonで構築したとしても、ユーザーが直接触れるフロントエンドをつくるにはJavaScriptが必要になります。そのため、Web開発を志すのであれば、まずはフロントエンドの必須言語であるJavaScriptから学び始めるのが、おすすめです。

AI開発やデータ分析の分野で活躍したい

  • 結論:「Python一択」と言っても過言ではありません。

なぜPythonなのか?

AI、機械学習、データサイエンスといった最先端の分野に挑戦したいのであれば、迷わずPythonを選びましょう。現在、これらの分野における学術研究からビジネス応用まで、Pythonは世界的な標準言語としての地位を確立しています。

その最大の理由は、AI・データ分析に特化した専門的なライブラリ(ツール群)のエコシステムが圧倒的に充実しているからです。

  • NumPy / Pandas:数値計算やデータ解析を高速に行うためのライブラリ。データサイエンティスト必須のツールです。
  • Scikit-learn:様々な機械学習アルゴリズムを手軽に利用できるライブラリ。まずはここから機械学習を試す人が多いです。
  • TensorFlow / PyTorch:GoogleやFacebookが開発を主導する、本格的な深層学習(ディープラーニング)を行うためのライブラリ。

これらの強力なライブラリを使えば、本来なら非常に複雑で難解な数式やアルゴリズムを、比較的短いコードで実装し、すぐに試すことができます。世界中の研究者や開発者が日々Pythonで新しい技術を生み出しているため、最新の論文で発表された手法を試す際も、ほとんどの場合Pythonのコードが公開されています。

学習教材、コミュニティの規模、そして求人市場、あらゆる面でPythonが他の言語を圧倒しているのが現状です。

AIエンジニアを目指す学習ロードマップ

Pythonを学びWeb開発者を目指す際のロードマップを紹介します。

STEP
Pythonの基礎文法

まずは基本的な文法、データ型、制御構文などをしっかりと身につけます。

STEP
データ分析ライブラリの習得

NumPyとPandasを使い、データの集計や加工、可視化といったデータ分析の基本スキルを学びます。

STEP
機械学習の基礎とScikit-learn

機械学習の基本的な理論を学びながら、Scikit-learnを使って実際に簡単なモデル(予測や分類など)を構築してみます。

STEP
深層学習(ディープラーニング)へ

TensorFlowやPyTorchといった専門的なライブラリを使い、画像認識や自然言語処理といった、より高度なAI開発に挑戦します。

ちなみにJavaScriptではダメなの?

実は「TensorFlow.js」というライブラリを使えば、JavaScriptでもブラウザ上で機械学習モデルを動かすことが可能です。しかしこれは、Pythonで学習させたモデルをWebアプリに組み込むといった用途が主で、ゼロからモデルを研究・開発したり、大規模なデータを扱って学習させたりするのには向いていません。AI・データサイエンスを本気で学ぶなら、Pythonが本命となるでしょう。

未経験だけど、とにかくプログラミングを始めてみたい

  • 結論:「学び方の好み」によって、どちらも素晴らしい選択肢になります。

特定の目的がまだ定まっていない初心者の方にとって、この2つの言語はどちらも入門に最適です。ここでは、あなたの性格や好みに合わせて、どちらがより楽しめるかを提案します。

Pythonがおすすめな人

もしあなたが「焦らず、プログラミングの“考え方”そのものをしっかり学びたい」と思っているなら、Pythonがおすすめです。

Pythonの文法は非常にシンプルで、覚えるべきルールが少ないため、やりたいことを実現するための「ロジックを考える」という、プログラミングの本質的な部分に集中しやすいというメリットがあります。

環境構築も比較的簡単で、Web開発のようにHTMLやCSSなど他の言語を同時に学ぶ必要がないため、「まずは一つの言語をマスターしたい」という人に向いているでしょう。最初にコンピューターの思考法という土台を固めることで、将来的に他の言語を学ぶ際にもその知識が必ず活きてくるはずです。

JavaScriptがおすすめな人

もしあなたが「とにかく何かを作りながら、動くものを見て楽しみたい」と思っているなら、JavaScriptがぴったりです。 JavaScriptは、パソコンに最初から入っているWebブラウザと、メモ帳のようなテキストエディタさえあれば、すぐにでもコードを書き始めて、その結果を目で見て確認できます。

「このボタンを押したら、文字の色が変わる」といった小さな成功体験を積み重ねやすく、ゲーム感覚で学習を進めることができます。自分の書いたコードが、見た目としてダイレクトに変化に現れるため、モチベーションを高く保ちやすい点が特徴です。

もし、まだ迷っているなら

Pythonから始めるのがおすすめです。Pythonでプログラミングの基礎体力(変数、繰り返し、条件分岐など)を身につければ、その後のJavaScriptの学習がスムーズに進みます。

両方の言語に少しだけ触れてみて、「楽しい!」と感じた方を選ぶのも素晴らしい方法です。学習を継続する上で、モチベーションは何よりも大切です。

どちらの言語から始めても、最終的にできることの幅は非常に広いため、心配はいりません。あなたの心が「面白そう!」と感じる方へ、気軽に一歩を踏み出してみてください。

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この記事を書いた人

プログラミング学習やエンジニアスキルの習得、就職・転職などに関する情報を発信するメディア「Anycode (エニーコード)」の編集部です。

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